2025.03.05
「気分が重い…それ、心だけの問題ですか?」
※私の施術体験を自伝として投稿しております。同業の先生方や、同じような症状で悩まれている方のお力添えになれば幸いです。なお、患者様のプライバシー保護のため、数年前の施術をもとに執筆しております。
今回ご紹介するのは、「何もする気が起きない」「朝が特につらい」と話していた、20代の女性の患者様です。
病院では「軽度のうつ状態」と診断され、薬を処方されていましたが、
「薬だけではどうにもならない気がする」とのことで、鍼灸施術をご希望され来院されました。
まずは“身体の声”を聞くことから
「うつ」と聞くと“心の問題”と思われがちですが、
実際は身体の働きのバランス=自律神経の乱れが関係していることが多々あります。
問診で話を聞くと──
・朝起き上がるのがつらい
・仕事に行くだけで精一杯
・肩こり・頭痛・胃の不快感がある
・夜になると気持ちが落ち込む
…といった、自律神経の不調を疑わせる訴えが多くありました。
診察して分かったこと
脈・舌・腹部・筋肉の状態を総合的に診ていくと、次のような所見が。
・首・肩まわりの緊張が非常に強く、頭への血流が悪い
・背中(特に肩甲骨の内側)の冷えと硬さ
・骨盤の左右差+背骨のわずかな歪み
・手足が冷え、内臓の調子が悪い反応(腹部の反応点)
これはもう、自律神経の働きがだいぶ弱まっている証拠です。
頭では「頑張りたい」と思っていても、体がブレーキをかけている状態でした。
鍼灸×骨格矯正でアプローチ
初回の施術では、背中~腰にかけての温灸を使い、副交感神経を活性化。
加えて、背骨と骨盤の矯正を丁寧に行い、自律神経の通り道(脊柱)を整えました。
2回目からは、東洋医学でいう「心・肝・腎」に対応するツボを中心に、体質改善を目的とした鍼灸治療を追加。
特に、百会(頭頂部)や内関(手首)、三陰交(足首)などを組み合わせ、自律神経とホルモンの安定を図っていきました。
変化が出たのは3回目から
「朝の目覚めが、ちょっとマシかも」
「夜の頭のモヤモヤが減って、寝付きやすくなりました」
このような小さな変化から、徐々に笑顔が増えていきました。
本人も「この調子なら、仕事を辞めなくてもいけそう」と前向きな気持ちを口にされ、
少しずつ外出の頻度や会話のトーンにも変化が見られました。
最後に…
「うつ」や「気分の落ち込み」は、決して“心が弱い”からではありません。
体が疲れている・バランスを崩しているというSOSのサインでもあります。
薬だけで良くならないときは、体からのアプローチも選択肢にしてみてください。
鍼灸や矯正治療は、心と体をつなぐケアでもあります。
私自身も、こうした臨床を通じて「東洋医学の力」をますます信じています。
ご本人の努力と、体の回復力の助けになれたこと、本当に嬉しく思います。
現在は定期的なメンテナンス施術で体調も安定され、旅行の計画を楽しそうに話してくれています(←ここで私も笑顔になります・笑)
当院ホームページの「豆知識」ページでは、自律神経ケアやセルフケア方法も随時更新しております。
同じようなお悩みのある方に、少しでも参考になれば幸いです。
はぴねす鍼灸接骨院
院長:永田






