2021.02.17
前回からの続きです。
今回は、”ドライバーの油断”
「油断」こそが、交通事故の最大の原因です。
交通事故の第一当事者による交通違反で最も多いのは安全運転義務違反ですが、これは注意不足が根本の原因であり、1年間に22万件も起こっています。注意不足もすべてドライバーの油断が招いていると言っていいでしょう。
油断が招く事故、とは一体どんなものだと思いますか?
気が緩んでいることから、わき見をしやすくなっていることがまず挙げられます。
直線で信号もないから、「ここでラジオを切り替えよう」「エアコンの温度設定を変えよう」などとしがちではないでしょうか。
走行中に運転操作以外の動作をしやすくなる、あるいは他のことを考えやすくなるのが、この直線路を一定速で走行中の状態なのです。
運転以外の操作に気をとられていると、歩行者や自転車が横断しようとしていたり、道路に穴が空いていたりするのに、気が付くのが遅れることも有り得るでしょう。気付くのが遅れるということは判断から操作までの動作を急ぐことが迫られ、適切な判断や操作ができなくなることも多くなります。
また、よそ見をしたり、助手席の荷物や携帯電話を取ろうとして運転席から身体を大きく動かしたりすることで、知らずにステアリングを切ってしまい、車線から飛び出してしまうこともあるのです。
また、交通事故は自分が第一当事者(主に原因をつくった人)とは限らず、いわゆるもらい事故にあった人も半数近く存在するのです。
それらも、相手が一方的に交通事故の原因をつくった(=相手が悪い)と思ってしまいがちですが、実際にはそうとは言い切れないケースも少なくありません。
見通しの良い直線路を走っているのは、自分だけでなく、対向車にとっても同じこと。
自分の注意力が落ちている状態で、対向車のドライバーが車線からはみ出してくれば、それに気付いて危険回避などの対応を取る動作も、当然ながら遅れることになってしまいます。
こうしたちょっとした油断が重なり、不幸にして交通事故は起こってしまうのです。
それが日本国内だけでも年間50万件近くに上るということは、決して他人事で済ませることはできません。誰にでも起こり得ることなのです。
避けようと思えば避けられた事故、それが積み重なってやがて重大事故が起こり、死傷者を発生させているのが、交通事故の現状なのです。
直進中の油断と、この後で挙げるもう一つの原因を解消させるだけで、交通事故は半減できるはずなのです。
次回は”交通事故の原因 その2 “運転技術” “速度感覚の欠如””を記載します。