2024.12.18
※この投稿は施術体験をもとにした症例自伝です。
同業の治療家の方々や、似た症状に悩む方へのヒントになれば幸いです。
なお、個人情報保護のため内容は過去の症例に基づいています。
【今回の患者様】
バスケットボール部所属の高校生。
練習試合中にリバウンド後の着地動作でふくらはぎに「ピキッ」と電気が走ったような痛みがあり、その場で動けなくなったとのこと。翌日、腫れと歩行時の痛みが強くなり来院されました。
【原因は?】
――「原因が分かれば、8割は治ったようなもんだぞ」
これは、かつての恩師の言葉。
今日もこの言葉を胸に診察開始。
まずは基本的なチェックから。
歩行時、患側をかばって跛行あり
つま先立ち困難(患側で荷重できず)
腓腹筋の内側頭に圧痛+わずかに腫脹あり
熱感は中等度
アキレス腱・足関節の動きに制限なし
→ 結論:腓腹筋内側頭の軽度〜中等度肉離れ(筋硬結含む)
【1回目施術】
限局性圧痛点を確認し、深部の筋線維に向けて斜刺の鍼治療。
動かさずとも、刺入後にピクッと筋肉の反応あり。
私:「今の鍼の響き、痛い感じはある?」
学生:「ズーンって感じです。痛いというか、なんか奥でビリッときます…」
私:「それ、それ!まさに今ほぐれてる証拠やけん、あとちょっと我慢してな」
心の声:おぉ、反応良いな。こりゃ回復も早そう。でも目ぇ瞑っとるからビビってはいるな(笑)
【施術後の状態】
圧痛範囲はやや広がる(炎症反応)
ふくらはぎ全体に筋肉痛のような感覚
歩行時痛はやや増悪(想定範囲)
→ 治療内容と予後についてご本人・保護者へ丁寧に説明し、2日後に再診を提案。
【2回目(初診から2日後)】
【問診】
私:「前回からの痛み、どうだった?」
学生:「治療の翌日はめっちゃ痛くて焦りました。でも、今日は初診の時より全然楽です」
私:「ズキズキするような感じやった?」
学生:「はい、でも言われた通りやなーって思って…」
心の声:ちゃんと話聞いてくれてて助かるわ。素直な子は回復も早い。
私:「10段階でいうと痛みどれくらいに変わった?」
学生:「10だったのが、今は5くらいです!」
【触診】
圧痛は軽減
腫脹も少し引いてきた
局所に硬結残存あり(深部)
つま先立ちは“ややできる”程度に改善
【2回目施術】
高周波電療による深部刺激
足関節〜膝関節にかけての手技+筋膜リリース
限局圧痛点に**円皮鍼(貼る鍼)**を施し終了
施術後、歩行の安定性がアップ。本人も「あ、軽いかも」との声あり。
【3回目(初診から6日後)】
【問診】
私:「痛み、もうどう?」
学生:「全くないです。ジャンプもできます!」
私:「いいね!でも試合に出るのは慎重にな。練習再開後3日間は“7割”の動きがベストやけんね」
心の声:ここで全開で動いて再発する人、多いんよな…グッと堪えどころ!
【触診】
圧痛なし
可動域フル
局所の筋出力も左右差ナシ
バランス検査OK
【3回目施術】
股関節〜下腿にかけての連動性ストレッチ
腓腹筋の再発防止エクササイズを指導
バスケット特有の動作(ストップ&ジャンプ)のフォーム指導(軽め)
【所見】
今回の症例は、バスケットボール中のジャンプ着地により発症した腓腹筋の軽度肉離れでした。
痛みの除去と並行し、筋出力とジャンプ動作の再構築まで意識した施術を行いました。
再発防止とパフォーマンス向上の観点でも、計画通りに進められたと考えております。
ストレッチや筋トレの予防知識は
「はぴねす接骨院・はぴねす鍼灸院」のホームページ『豆知識』にて随時公開中。
ご参考までにどうぞ!
院長:永田