2024.11.10
※私の施術体験を自伝として投稿しております。同業の先生方や同じ症状で悩んでいる方のお力添えになれば幸いです。また、投稿している施術に関しましては、患者様のプライバシーを守るために数年前の施術を投稿しております。
今回紹介する患者様は、50代女性の患者様。
食事中に左側の顎関節に違和感があり、その後、数日後には開口不能になってしまいました。
最近では夜間時に疼痛(うずく痛み)があり熟睡もできない状態。
原因は何?
“一流の施術家とは、一流の技術より原因を見つける能力が一流じゃなきゃダメやぞ!”
昔、師匠に教えて頂いた御言葉です。
今回も痛みの原因を究明していきます。
咀嚼筋?(噛む時に使う筋肉)
関節のアライメント?
三叉神経?迷走神経?
何やろ?何やろか?
今回、診察時に気付いたこと
顎関節のクリック音(カクッ!という音)無し・咀嚼筋の緊張なし・顎関節のバランス等の不安定感なし・・・
困ったぞ!何も見つからん!他に何かあるはず!どこや!どこや!←私の心の声(笑)
ここで1つ気になる事がありました。
筋肉の牽引による頸椎1番のズレ・・・
原因が解れば施術はスムーズにいきます。(まだ疑いの状態ですけどね)
1回目施術内容
顎関節周囲と後頭部周囲の筋弛緩を目的とした治療。各関節(原因と疑われる関節)の矯正。
施術後の検査では来院時より開口できるようになっていましたが、帰宅後に症状が元の状態に戻ると意味がありません。今回の施術で症状が変わらなければ、次回は鍼を顎関節から頚部(首)かけて施術しようと考えていました。
2回目(初診から2日後)
治療前の確認(はぴねす接骨院では、毎回、治療案内前に負傷部位によって変わりますが確認させていただく項目があります。)
確認結果
【問診】
開口は前回より指1本分出来るようになったが、開口時の痛みあり。
夜間疼痛:治療前が10段階中10として現在8~7位。
治療後は咀嚼時(噛む動作)の痛みは軽減したが、翌日には痛み再発。
【触診】
筋硬結あり
アライメント正常
クリック音なし
【ここからは私の声】
う~ん・・・
顎関節以外やろか?
筋肉系や局所関節系なら前回の治療で何かしら改善するはずけどなぁ~
頸椎やろか?
でも、側頭筋と咬筋が、まだ硬いしな~
2回目施術内容
・高周波による電療
・手技による施術
・顎関節から頸部(首)にかけて筋弛緩目的とした鍼治療。
・鎮痛効果を目的とした鍼治療。
※当院の鍼治療は自費治療(保険適用外)になります。
今回は開口時痛と夜間疼痛の改善を目的とした治療を施しました。
患者様には今回の施術で症状が変わらない場合は整形外科の受診を促しました。
ペインスケール(10段階中の痛み)が4~3になってくれ!←私の心の声
3回目(初診から5日後)
治療前の確認
確認結果
【問診】
「少し良くなりました。」との事・・・
と言うことは、“前回と自覚症状の変化あまりなし”
患者様が私たちに気を使って言って頂ける言葉だと私は思っています(笑)
お気を使わせて申し訳ございません。
~前回の症状~
開口は前回より指1本分出来るようになったが、開口時の痛みあり。
夜間疼痛:治療前が10段階中10として現在8~7位。
治療後は咀嚼時(噛む動作)の痛みは軽減したが、翌日には痛み再発。
【触診】
筋硬結軽度改善。
アライメント正常
クリック音なし
※整形外科の受診時も特に問題なしの事。
【ここからは私の声】
顎関節治療で当院の施術で2回行って症状改善しないのは何で?
(殆どの方が2回の施術で日常生活に支障がなくなるくらいになる事が多いです。個人差はありますけど)
初診時に疑いがあった・・・あれやろか?
可能性が低いがやってみるか!
3回目施術内容
・高周波による電療
・手技による施術
・頸椎の矯正
※当院の矯正治療は自費治療(保険適用外)になります。
今回は開口時痛と夜間疼痛の改善を目的とした治療を施しました。
ペインスケール(10段階中の痛み)が3以下になってくれ!←私の心の声
患者様には、今回の施術で変化がない場合は再度整形外科の受診をうながしました。
4回目(初診から12日後)
治療前の確認
確認結果
【問診】
開口時の痛み・可動域制限なし。強く嚙んだ時に違和感あり。
夜間疼痛:治療前が10段階中10として現在0!
【触診】
筋硬結改善。
アライメント正常
クリック音なし
第1頸椎のズレなし
【ここからは私の声】
良かったぁ~(笑)
4回目施術内容
再発防止の施術
・高周波による電療
・手技による施術
・頸椎の調整
所見
今回は、稀にみる症状でした。
同じ症状・症名でも原因や発生機序で治療内容は変わってきます。今回は良い経験をさせていただきました。
次回同様の患者様が来院された際は1回で完治できるように施術していきます。
顎関節症の予防法などは“豆知識”のページに掲載します。
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良かったら参考にしてくださいね
院長:永田