うつ病 ~症状~
2025.07.21
近年、うつ病などの精神疾患が長期的に増加傾向にあります。
国内でもうつ病は増加傾向にあり、背景には、ストレス社会により抑うつ状態になる人が増えていること、うつ病の認識が広がり受診する人が増えていることが考えられます。
男女比較で見るとうつ病は男性よりも女性に多く、厚生労働省の患者調査(平成29年)によると、男性のうつ病患者数は約49.5万人、女性は約78.1万人。男女別・年齢別にみると、男性は40代が最も多く、女性は40代および60代後半〜70代で多く見られ、最近では若い世代のうつ病も増加傾向にあります。
そこで今回は「うつ病」の原因・症状について紹介していきます。
【原因】
うつ病がなぜ、どのように起きるのかについてはまだよくわかっていませんが、感情や意欲は脳が生み出すもので、その働きになんらかのトラブルが起きていると考えられます。
具体的には、脳の神経細胞同士でやり取りされる神経伝達物質(セロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン)のバランスの乱れが関係している可能性があります
神経伝達物質の量だけでなく、うつ病になりやすい気質(性格)やうつ病を引き起こすきっかけとなるストレス(環境変化)があり、それらが組み合わされることでうつ病が起きると考えられています。
うつ病になりやすい気質(性格)としては、生真面目、完璧主義、自分に厳しい、凝り性、気を遣うなどがあげられ、そのような性格のためにストレスを受けやすいと考えられます。
また、学校や社内でのいじめ、受験や仕事での失敗、失恋や離婚、家族や親しい友人との死別といった悲しい出来事だけでなく、結婚や妊娠・出産、昇進・栄転、進学・就職、家の新築や引越しなど、喜ばしい出来事であっても環境が大きく変わることでストレスが生じ、うつ病を引き起こすきっかけとなることが知られています。
【主な症状】
1.気分の変化:憂鬱・悲しみの気分が続く事が多く、日常生活に対する興味や喜びが失われることがあります。
2.睡眠異常:不眠・過眠など睡眠のパターンの変化がみられることがあります。
3.食欲の変化:食欲が減少したり逆に過食になったりすることがあります。それに伴い体重の変動もみられます。
4.集中力の低下:物事に集中できず、思考が鈍くなることがあります。これにより仕事や学業に支障をきたすことがあります。
5.身体的症状:頭痛や疲労感、体の痛みなど、身体的不調を訴えることもあります。
6.感情の変化:罪悪感や無力感、無価値感を感じることが多く、涙もろくなることがあります。
7.行動の変化:社会的な行動を避けたり、以前は楽しんでいたことに対する興味を失ったりすることもあります。
今回は原因・症状について紹介しました。
次回は予防法について紹介していきます。