2017.12.25
「低血糖」は血液中にあるグルコース(ブドウ糖)の値が異常に低い状態になっていることです。
そのときにみられるいろいろな症状のことを「低血糖症」といいます。
■どのくらい低くなったら低血糖?
通常、ヒトの体はおよそ70-110mg/dLの血糖値を維持しています。
食事をすると炭水化物がブドウ糖になって血中に放出されるので
血糖値は高くなりますが、それでも160mg/dL以下です。
この血糖の値が60mg/dL未満まで低下したときに「低血糖」といわれます。
なお、赤ちゃんの場合は、産まれてから48時間以内に30mg/dL以下になった場合が
あてはまります。
■血糖値が下がるとどうなるの?
脳などの中枢神経系は、動くための主なエネルギー源としてブドウ糖を利用しています。
ヒトの体内にはさまざまな仕組みがあって、
普段は血糖値が60mg/dLに低下するのを防いでいます。
しかしなにかのきっかけで血糖が下がって50mg/dL以下になると、
大脳を動かすためのエネルギーが足りなくなり、正常に動かなくなります。
中枢神経も動けなくなってダメージを受けるため、
身体の多くの器官の機能不全を引き起こします。
これらのことから精神症状や意識消失を引き起こし、
さまざまな障害を受け、ひどい場合は死に至ります。
■血糖値が下がると、かならず症状が起こるの?
血糖が60mg/dL未満になったから必ずさまざまな症状が現れるというわけではなく、
なにも症状を感じない場合もあります。
このことを「無自覚性低血糖」といいます。
自覚がないので、突然、意識を失って倒れたりすることもあります。
逆に、血糖が60mg/dL以上程度でも症状が現れる場合もあります。
正確な血糖値の数字で「低血糖症」を判断することはできませんが、
だいたいの目安として「60mg/dL未満が低血糖である」、と考えておけばよいでしょう。
軽度の低血糖・低血糖症の場合は
「すみやかに糖分を摂取する」ことですが、大切です。
重症の場合は、きちんと原因を治して繰り返し症状を起こさないように治療しましょう。