2015.03.05
症状
肘内障は2~4歳位の子供によくみられる疾患で、手を急に引っ張ったり、捻ったりした時に起こります。外見上では腫脹や変形はみられませんが、痛がって泣き出したり、腕をだらんと下げたまま動かさなくなったりといった様子がみられます。
<損傷時の子供にみられる症状>
腕を痛がっている。
腕をだらんと下げたまま動かそうとしない。
橈骨と輪状靱帯
肘関節を構成する骨の1つの橈骨は、橈骨頭の部分が輪状靱帯により覆われています。
この輪状靱帯の中で橈骨が回転することで、前腕の回内や回外の動きが可能となります。
主な原因
肘内障は、母親が子供の手を急に引っ張った時等に発症します。手を引っ張った際に、通常固定している輪状靱帯から橈骨頭が外れることによって起こるとされています。靱帯が未発達な2~4歳の頃によくみられ、それ以降、成長と共に靱帯の固定が強固となるため成人での発生はまずほとんどありません。 鑑別しなければいけない重要な怪我として、肘関節周囲の骨折があります。高所からの転落などでの受傷機転、腫脹や内出血等の所見、整復後も痛みがとれない等の場合には、骨折を強く疑います。
治療方法
治療では徒手整復を行います。その後は特に固定の必要はなく、通常通り腕を使っても問題ありません。 ただし、5歳頃までは、手を引っ張られることにより繰り返し外れてしまうことがあるので、注意が必要となります