2015.03.26
症状
膝蓋腱炎は、膝蓋腱の付着部である脛骨結節でみられるオスグット・シュラッター病(Osgood-Schlatter disease)と、膝蓋骨の下極部におこるラルセン病(Sinding-Larsen- Johansson disease)の2種類があります。
いずれも発見者の名前からつけられた疾患です。
この2種類は発症する場所の違いのみであり、症状のほとんどは同じで、着地動作やダッシュ・急激なストップ等の運動時に膝の下部に痛みが生じ、膝に軽度の腫脹や熱感みられることがあります。
ただ、オスグット・シュラッター病の場合には、脛骨結節に突出がみられるのが特徴です。
成長期の子供に多く発症する疾患で、安静時には痛みは落ち着きますが、スポーツ活動を再開すると痛みが再発します。
成長期を過ぎると症状は軽減していきます。
<主な症状>
スポーツ活動中に痛みがある。
膝の下部に腫れや熱がみられる。
脛骨結節に突出がみられる。(オスグット・シュラッター病)
膝関節の構造【大腿四頭筋~脛骨結節】
膝関節の伸展機構となる大腿四頭筋は大腿部の前面にある強大な筋で、大腿直筋、内側広筋、中間広筋、外側広筋の4つの筋からなります。
大腿四頭筋は膝蓋骨を経て、膝蓋靱帯となり脛骨に付着します。
この付着部分には脛骨結節という骨の出っ張りがあり、成長期までは骨端線と呼ばれる軟骨の状態になっています。
主な原因
膝蓋腱炎は、成長期の少年少女、特にジャンプやダッシュ動作の多いバスケットボールやバレーボール、テニス、サッカーなどを積極的に行っている場合に多く発症し、ジャンパー膝とも呼ばれます。
原因としては、ジャンプ動作やランニング等の繰り返しにより、膝に強いストレスがかかり、大腿四頭筋の付着部である脛骨結節や膝蓋骨と膝蓋腱の付着部の骨が剥がれてしまうことで炎症が起こり、痛みがでます。 それぞれ、骨端線閉鎖前の未成熟な状態に、繰り返し牽引力が加わることで損傷が生じるとされています。
治療
成長期に起こる一過性の疾患なので、成長が止まり、骨端線が閉じると多くの場合は治癒します。 この時期には悪化させないためにもスポーツ活動を控えることが大切となります。
<主な治療方法>
膝蓋腱炎の治療では、基本的に手術療法が行われることはなく、症状が治まってくるまで保存的治療を進めていきます。
治療の際には、運動は一時的に休止し、応急処置としてアイスマッサージを行ったり、筋肉を柔軟にするためにストレッチや筋力トレーニーングを行ったりします。
痛みが強い場合には超音波や低周波などの物理療法を行ったりする場合もあります。
ごく稀なケースで、成人になっても症状があり、脛骨結節に小骨片がある様な人に対しては、小骨片を摘出する手術が適用されることがあります。
はぴねす鍼灸接骨院では、早期回復が望める酸素カプセルや鍼灸治療を併用して行う場合があります。
また、治癒後はリハビリストレッチトレーニングも行っています。
膝蓋腱炎の疑いがある場合は、お気軽にご相談ください。