2015.03.02
症状
半月板損傷では主に、膝に痛みやひっかかりを感じたりする症状があります。切れた半月板が関節の間に挟まることでひっかかりを感じます。 ひどい場合には膝を完全に伸ばせなくなる、ロッキングという状態になることもあります。
<主な症状>
膝の曲げ伸ばしの際に痛みを感じる。
屈伸時、膝に引っかかりを感じる。
歩行時、膝の力が抜ける様な感じがある。
階段の昇り降りの時に痛い。
膝が曲がったまま伸びない。(ロッキングが起こる)
半月板とは?
半月板は膝関節の大腿骨(太ももの骨)と脛骨(すねの骨)の間にある線維軟骨で、膝関節の外側のへりをぐるりと囲んでいるものです。イメージとしてはお弁当箱の蓋に付いているパッキンの様なもので、半月の形をしているので、半月板と呼ばれています。 種類は内側半月板と外側半月板があり内側はC型、外側はO型の形をしています。 半月板は膝にかかる負担や衝撃を吸収するクッション役であり、膝関節を安定させるスタビライザーの様な働きをしています。
主な原因
<どのような場合に起こるか> 半月板損傷の原因は大きく分けて二つあります。 ○スポーツなどの怪我から生じる場合 ○加齢により損傷する場合 前者は、一度の外傷により切れてしまう場合で、この場合では、体重が加わった状態でのひねりや衝撃によって半月板だけが損傷するものと、前十字靱帯損傷などに合併して起こるものとがあります。 後者は、変性断裂といって、繰り返しの負担や関節の加齢による変化が原因で切れてしまう場合です。これは加齢により変性した半月板が、ちょっとした負荷や外傷で傷ついたり切れたりと半月板損傷が起こりやすい状況にあるため引き起こるとされています。 また、半月板には内側半月板(C字型)と外側半月板(O字型)がありますが、圧倒的に内側半月板の痛みを訴える方が多くいます。関節面の内側と外側では、内側の方がより多く負荷がかかっているので、内側半月板の方が傷付きやすいとされています。またO脚変形を伴うと、常に内側半月板にストレスが掛かった状態で膝の曲げ伸ばしを行っている事となり損傷の原因になりやすいといえます。 外側半月板の損傷では、円板状半月板が原因とされるものが多くあります。円板状半月板は先天的な形態異常で、正常な半月板よりも傷付きやすい状態のため、軽微なケガなどでも損傷しやすいとされています。 <断裂の種類> 半月板損傷の切れ方には、水平断裂や縦断裂、横断裂などがあります。 ○水平断裂の場合 ⇒ 半月板が2枚おろしの様にめくり上がった状態で断裂しています。 ○縦断裂の場合 ⇒ 外傷により損傷。 ○横断裂の場合 ⇒ 外傷により損傷。 <痛みの原因は?> 半月板が切れていても半月板そのものに痛みがあるわけではありません。関節の中に炎症が起こり痛みの原因となります。 炎症が強くなってくると、関節の中に水がたまることがあります。 関節の中の水は関節液と呼ばれ、正常な関節液は粘度が非常に高く、関節の潤滑油の働きをしていますが、炎症が起きて溜まってしまった水はさらさらしていて潤滑油の役割を果しません。 またその関節液の中には炎症を引き起こす成分が含まれており、結果、炎症が炎症を引き起こすような状態になってしまいます。
治療
<痛んだ半月板は自然に治る?> 半月板のへりの部分、赤色半月板と言いますが、そこは血液が流れている場所なので修復されやすく、時間をかけて自然に治っていくこともあります。 ただ、半月板の真ん中の方になっていくほど血流がなく、切れてしまうと自然には治りませんので、手術の適応になる場合もあります。 <治療方法> 半月板損傷の治療には、保存的治療と手術治療の方法があります。 一般的に加齢の変化でおこる水平断裂の場合は手術をすることはほとんどありません。半月板が切れているといっても、そのままで普通に生活している方もたくさんいます。炎症が落ち着いてくれば自然に痛みも落ち着いてきますので、経過をみていきましょう、という場合がよくあります。 痛みが強い場合には炎症を落ち着かせるために、溜まっている水を抜いたり外側から冷やしたり、ステロイド注射やヒアルロン酸注射を施したり、痛み止めを処方したりといった治療を行います。 炎症が強く、水が溜まり、熱が有るような場合では、水を抜いて薬を入れると速やかに治ることがほとんどです。また、水がある程度たまっていても熱がなく落ち着いている場合は、水を抜く必要はなく、その状態で平衡状態をたもっているので、特に処置をしない場合もあります。これらが保存的治療にあたります。 それとは別に、3ヵ月以上痛みが続く場合や日常生活でも支障がある場合、半月板の切れ方がひどい場合(縦断裂・横断裂)などは手術の適応になります。
はぴねす鍼灸接骨院では、早期回復が望める酸素カプセルや鍼灸治療を併用して行う場合があります。
また、治癒後はリハビリトレーニングも行っています。
半月板損傷の疑いがある場合は、お気軽にご相談ください。